比内地鶏の基本的な育て方
美味しい比内地鶏を育てるには、飼育マニュアルを徹底的に守ることです。 比内地鶏を秋田県の重要な特産品として位置付けている秋田県では、県の機関である秋田県農業公社が中心となり、比内地鶏のブランドを確立するためヒナの生産から与える飼料、飼育指導まできめ細かに指導。
優れた肉質の鶏を飼育するためのマニュアルも確立されています。
例えば、生後何日目まではこのようなエサ、出荷前何日間はこのエサを何Kg。鶏舎の広さから構造まで、きめ細かくマニュアルを決めています。
飼育農家は基本的にこのマニュアルをしっかり守れば優れた肉質の比内地鶏を生産することができるのですが、生産者によっては自己流の飼育を行ったり、マニュアルを勝手に簡略化して飼育する農家がいるなど、結果的に肉質に大きな幅があるのが現状のようです。
わたしたちの飼育の基本はマニュアルを完全に守り続けるということ、飼育に関して手を抜かないということです。もし、マニュアルを守らず一度でも品質の劣った鶏を出荷したら、今までわたしたちが築いてきたブランドのイメージがそこなわれてしまいます。比内地鶏のヒヨコを導入して育てても、飼料や育て方の違いでまったく異なる肉質になってしまうということがはっきりわかっています。
それまでの評判を一気に落とした「比内地鶏の偽装事件」
比内地鶏の美味しさがじわりじわりと全国に伝わり、比内地鶏の本場・秋田県北部からの出荷量は年々増え続けました。ところが平成19年10月、驚くべき事件が起こりました。
大館市の食肉加工販売会社「比内鶏」が地元の比内地鶏を使った商品として販売していた燻製など16品種の加工食品が、実はただ同然で手に入れた廃鶏を素材として使っていたことが判明したのです。会社の名前が「比内鶏」だったため、比内地鶏全体に疑いの目が向けられました。その後の調べでこの偽装は昭和62年ころから行われていたとされ、比内地鶏のブランドイメージは見事に失墜。秋田県全体の比内地鶏の出荷量は大幅に減少してしまいました。
本物の比内地鶏であることを証明する「比内地鶏の認証制度」がスタート
比内地鶏の表示偽装問題を受け、平成20年4月21日より、本物の比内地鶏であることを秋田県が証明する認証制度が始まりました。比内地鶏の生産者や加工業者を対象に、日本農林規格(JAS)が定める地鶏の規定より厳しい生産や管理の基準を設けています。
●ヒナは秋田比内鶏のオスとロードアイランドレッド種のメスの交配で生まれた一代交雑種
●メスは孵化(ふか)から150日以上、オスは孵化から100日以上飼育
●孵化から28日以降は1m²当たり5羽以下で平飼いまたは放し飼いで飼育、など。
処理加工業者には、入荷・出荷状況の記録簿の保管も義務づけられています。
比内地鶏ブランド認証制度の認証期間は2年間です。
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