NS乳酸菌で発酵させた飼料も
NS乳酸菌で発酵させた飼料も
NS乳酸菌
NS乳酸菌で発酵させた飼料も与えています。
NS乳酸菌を飼料に混ぜて与えることによって、化学薬品や抗生物質を使わなくても動物の病原菌や悪玉菌増殖を抑制する効果があるといわれています。また糞尿の悪臭を抑制する効果もあるので、畜舎の環境を改善するために使用しているケースもあります。わたしどもがこのNS乳酸菌を与えているのは健康な鶏を育て、畜舎の環境を改善するためもありますが、それ以上にエサの消化・吸収率をアップさせ肉質を上げるため。これを与え続けた鶏は肉のアミノ酸・イノシン酸・不飽和脂肪酸が大幅に増加していることが確かめられています。
NS乳酸菌を加える前の乾燥飼料はサラサラしています。
美味しい比内地鶏を育てるためには、手間を惜しみません。
鶏舎では毎朝NS乳酸菌を希釈した液を比内地鶏専用の乾燥飼料に混ぜ、数時間醗酵させています。醗酵させる時間はその時の気温によって異なり、20℃で10~12時間、25℃で5~7時間ほどです。NS乳酸菌を使い始めたころは飼育数も少なく撹拌は全て手作業で行っていました。しかし飼育数が増えて飼料が多くなるにつれてこの作業は腕にかなり負担をかけることになり、腱鞘炎になった職員や利用者もいたほどです。もちろん現在では作業の負担を軽くするため攪拌機を利用しています。
NS乳酸菌を加えて数時間醗酵させると、しっとりした飼料に仕上がります。
数時間醗酵させると、しっとりした飼料に仕上がります。
「醗酵させた飼料はしっとりした感触になり、香りもいい。ついつい私も食べたくなるほどです」と工藤さんは笑います。鶏舎の鶏たちにはこの醗酵させた飼料と乾燥飼料の2種類を与えていますが、鶏たちが最初に食べ始めるのはやはり醗酵させた飼料で、こちらのエサからなくなってしまいます。醗酵させた飼料はしっとりしているので自動給餌器に入れることはできないのでエサ箱に入れてやりますが、乾燥した飼料はパサパサしているので自動給餌器に入れています。
醗酵させた飼料を入れたエサ箱に集まる鶏たち。
鶏たちが好むのは、やはり醗酵させた飼料です。
1軒で1万羽近くの鶏を飼育している専門農家のほとんどは手間のかかる醗酵飼料は使わず、自動給餌器に2~3日分の大量の乾燥飼料を入れて、エサやりの手間をはぶいているのが現状だとか。毎日新鮮な醗酵飼料を作って鶏たちに与えている、わたしたちの鶏と、効率的な自動給餌器で乾燥飼料だけを与え続けている鶏に肉質の違いが出るのは当然のことかもしれません。
乾燥飼料(自動給餌器)と醗酵飼料(オリジナルのエサ箱)
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