初生棟から屋外運動場付きの広々とした鶏舎に引っ越し

芳醇な比内地鶏の作り方

初生棟から屋外運動場付きの広々とした鶏舎に引っ越し

60坪の鶏舎に約1000羽。
初生棟で30日前後育てられて体力のついたヒナたちは、広々とした鶏舎に移されます。
(28日齢以降は平飼いで飼育)
一般的な鶏舎は4間×15間の60坪で、約1000羽の鶏を育てることができます。鶏舎から外へは出入り自由。鶏たちは地面に生えている草をついばみ、地面の下をつついてミミズや虫の幼虫などを探し当ててはついばんでいます。


草むらで快適に 草の生えた屋外運動場でエサをついばみながら遊ぶ鶏たち。


鶏舎や屋外運動場を自由に走り回ります。
鶏舎に引っ越して1カ月もすると、それまで草だらけだった地面も毎日のように鶏たちについばまれ、草は太い茎を残してほとんど見当たらなくなります。EM活性液を添加した水を飲み、NS乳酸菌で発酵させた飼料を食べ、自由に走り回っている鶏たちはすこぶる元気で、時には人間の背丈ほど飛び上がって羽ばたくほど。このような野生的な姿は、時々見学に訪れる人たちをビックリさせます。
飼料は成長の段階に応じて種類が変わり、鶏舎に入ってから出荷まで4種類の飼料を与えます。鶏たちの成長を見ながら飼料を変えるタイミングを決めるのは職員の重要な仕事です。


暑さ対策を徹底 草ぼうぼうだった屋外運動場も約1カ月後には、ご覧の通り。鶏たちが食べつくしてしまいました。


夏の暑さは要注意です。
鶏たちはある程度大きくなると寒さには耐えられるようになりますが、どんなに成長しても暑さだけには耐えられません。わたしたちが特に気を使うのは真夏の晴れの日です。鶏舎内の温度が40℃近くになると要注意。ホースで鶏舎の屋根に水をかけて鶏舎内の温度を下げたり、弱っている鶏を見つけるとジョウロで直接水をかけ体温を下げてやることもあります。また、周囲の気温を下げるため、鶏舎の周辺の地面にホースで水をまき続けることもよくあります。


人の目による厳重な警戒体制 夏の気温の高い日にはホースで水を撒き、鶏舎内の温度を下げてやります。


怖いのは鶏たちが驚いて1カ所に集まって起きる「圧死」です。
このように手をかけ続けて丈夫に育てても、最後の最後まで気を抜くことはできません。病気の心配はほとんどないのですが、最も怖いのは大きな音や天敵の侵入に驚いて1カ所に集まることによって起きる「圧死」です。
大きく育ち、もう少しで出荷という時に、暴風や雷の音に驚いて1日で50羽以上が圧死ということも珍しいことではありません。動物の侵入は警戒を厳重にすることで防げるのですが、暴風や雷などの自然現象による事故だけは今のところ防ぎようがありません。


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